エネルギーの地平を切り拓く人

2006.12.20 環境新聞

安定した優良な風力発電を国内外で開拓、投資家向けファンドとして証券化し広く販売する。グリーンパワーインベストメント(東京都千代田区、03-3580-7021)の堀俊夫社長は、約20年培ったノウハウを基に、投資家にとってメリットの大きい「地球に優しい投資」を募る形で、新しいビジネスモデルの確立に乗り出した。(堀内 義之)

【適地で開発し安定性見込む】

「風はぶれない」というのが持論だ。適地を選んで開発すれば、風力発電は確実に安定性が見込めると力説する。「現在はコンピュータによるシミュレーション技術が加わり、実際の発電量がほぼ正確に予測できるようになった。」

風力発電での経験は豊富だ。同志社大学卒業とともに東洋綿花(現トーメン)入社。1985年に米国トーメン社の機械部長に就任以来、数々のサイト開発を手掛け、トーメンの風力発電事業の立ち上げに寄与した。2004年、ユーラスエナジーホールディングス会長を退任し、同社を設立した。

三菱商事、住友信託銀行、住商リース、日本生命保険、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズなどが主要株主。ジュリアーニ前ニューヨーク市長の投資会社も、米大手のセイジ・キャピタル・グローバルと組んで投資している。

【REITに対抗、利回り5%も】

「自社で施設を保有するのではなく、機関投資家や一般投資家に、風力発電など再生可能エネルギーに参加してもらいたい」と考えた。根拠は、“風力はリスクが少ない”との確信だ。 現在、不動産投資信託(REIT)が急成長している。日本の1400兆円もの個人金融資産が流入して数兆円市場へと拡大中だ。堀氏がライバル視するのは、まさにこのREITだ。 「不動産事業は、新しい機能を持ったビルの建設や、立地条件の変化などによる価値の変動、あるいは賃料相場の変動などに見舞われがちだ。収益の安定性は、必ずしも高いとは言えない」と主張する。

一方で風力発電は、15~20年の長期売電契約が電力会社との間に存在するため、その期間は一切競争にさらされず、また景気変動など経済環境の変化で売電収入が減少することもない。収益性の高いプロジェクト開発さえきちんとやれば、すこぶる安定した事業になるという。「REITよりリスクが低く、なおかつ地球温暖化対策の一翼を担って頂ける。利回りも、REITを上回るため、最低でも年率4~5%にしていく。」

【08年に50万kW集め投資法人化】

当初は、個別のプロジェクトごとに証券化する予定で、第一号案件として高知県大月町のウィンドファーム(1000kW×12基、計12000kW)を開発、今秋に完成した。 しかし、ここにきて方針を転換。「個別案件ごとに投資商品化するのでは流動性が低い。」と判断。複数の事業を集約し投資法人化して上場させることで、投資家がいつでも換金できるよう高い流動性をもたせ、より安心して購入できる商品にすることにした。

更に、長期的には、風力発電だけでなく、多様な自然エネルギーを視野に入れ、ビジネス展開の拡大を図る方針だ。



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